株式会社VOYAGE GROUP / CCO宮野 衆様
2019年5月、渋谷道玄坂にできた真新しい高層ビルにオフィスを移転した株式会社VOYAGE GROUP。
「2年がかりの一大プロジェクトだった。」CCO宮野氏がそう語る壮大なオフィス設計と移転計画。フロアにはバースペースやビーチ、洞窟などをイメージした空間が広がる。空間は細部までこだわり尽くされた。
RELISHは、新オフィスの顔となるエントランスに制作のご依頼を頂き、壁画を制作しました。
オフィス移転プロジェクトのキッカケやコンセプト、そしてRELISHの壁画への思いを新オフィスの会議室で伺いました。
宮野 衆(SHU MIYANO) / 株式会社VOYAGE GROUP
1984年1月生まれ。2007年新卒でVOYAGE GROUP入社。アドセールス担当、マネージャーを経て、 2010年CC(Corporate Culture)室設立。2017年10月に執行役員CCO (Chief Culture Officer) 就任。カルチャー・人事領域担当。2020年1月より株式会社CARTA HOLDINGSの組織戦略室を兼任。
RELISHプロデューサー倉嶋(以後「倉嶋」):
本日はよろしくお願いします!
宮野様(以後「宮野」):
宜しくお願いします!お久しぶりですね!
オフィスができてからいらっしゃるのは初めてですか?
倉嶋:
いえ、実は友人が御社で働いているため、先日お邪魔しました!
昨年壁画を制作した際はまだ他のエリアも同時並行で工事中だったので、「こんな感じになったのか!」と驚きました。
本日は、オフィス移転自体のお話から、僕らにご依頼頂いたキッカケなどざっくばらんにお伺い出来ればと思います。
移転はいつ頃から計画されていたんですか?
宮野:
計画は2017年から始まりましたね。社員の数がどんどん増えていき、前のオフィスでは手狭に感じていたんです。
以前も渋谷・道玄坂にオフィスを構えていたんですが、実は都内に事業部別に3つの拠点ありました。拠点を増やしていくという方向性もあったのですが、このタイミングで1つにまとめようと思い、移転を計画したんです。
倉嶋:
なるほど!
1箇所に集中させたかった大きな理由は何だったんですか?
宮野:
先程お伝えしたように各拠点は事業部ごとに分けていたんですが、事業部を横断してシナジーを生みだすため、また移動時間の節約のために集約しようと思いました。あとは、物理的な距離をなくして、社内の一体感をより醸成したいという想いがありました。
倉嶋:
オフィスをゼロから作っていくという課程で、参考にした企業や空間はあったんですか?
宮野:
そうですね、もちろん色々な企業を調べて参考にしたんですが、海外にも視察に行きました。アメリカだと、FacebookやGoogle、Airbnbなどですね。やはりお金も掛けているし、どの企業も良さがありました。
日本だとDMMさんのオフィスは凄かったですね!DMMさんでは、来客スペースがチームラボさんによってすごく幻想的な空間になっており、様々な動物たちが会議室へ誘導してくれたりで。オフィスのエリアを動物で分けてたり、その動物たちを紹介するリーフレットに冊子化していたりして、こういう情報の届け方はありだなと参考にさせてもらいました。
倉嶋:
海外視察にも行かれたんですね!力の入れようがすごいです…。
VOYAGEさんのオフィスについて教えて下さい!
宮野:
はい!
いまお話している15階は、会議室やバー「AJITO」、自由に打ち合わせや作業ができる空間が広がるフロアとなっています。このスペースには様々なコンセプトを持つエリアがあります。
全体のコンセプトはGREAT VOYAGE。シリコンバレーで視察をした際に、見て感じたカルチャーや雰囲気、そして「どこでも働ける空間」を取り入れました。各エリアで世界観を分けたのは、多種多様な空間を作ることでその日の気分や作業内容によって働く場所を選べるように。
例えば、CAVE(洞窟)というエリアは、まさに洞窟の中にいるように落ち着いていて、作業に没頭できるような環境なんですね。
エンジニアに話を聞いたところ、「こもってやりたい」というタイプの人が多く、暗く集中できるスペースを作れば彼らの作業を効率化できるのではないかと思ったのがキッカケです。
倉嶋:
なるほど!単に「オシャレ」とかではなく、仕事のしやすさや効率化を求めていらっしゃるんですね。
宮野:
そうですね。今回の移転計画でオフィス全体を通して考えたキーワードはいくつかあって…
まずは「生産性」。
自分のベストをそのときに出せるように気分によって変えられたらな、と。暗くて静かな場所で1人でやりたいときがベストのときもあれば、皆でディスカッションしたり、時には参考となる本を読みながら、というときもあると思うんですよね。
あとは、「セレンディピティ」。
自然と他の社員や事業部の人とコミュニケーションが生まれるといいな、と思いました。新しいアイデアもそうして生まれると信じています。
倉嶋:
確かに僕も基本的にはオフィスで仕事をしていますが、天気がいい日はカフェにいったり、蔦屋書店で本に囲まれて‥と気分を変えているんですが、それがオフィス内で完結したらベストですね。他にはなにか大事にしている点はありますか?
宮野:
僕たちが「Cultured ABW」と呼んでいる概念ですね。ABWとはActivity Based Workingの略で「仕事内容に合わせて働く場所や机などを選ぶ働き方」のこと。まさに今回のオフィスの作り方です。
その考え方に、僕らは「Cultured」を組み合わせたんです。つまり、僕らVOYAGE GROUPのカルチャーを空間に入れること。
一言でいうと、「語れる空間」にするということですね。実際に毎日利用する社員が「自分の言葉で語れるか、語りたいと思うか」ということ。
倉嶋:
VOYAGEらしさをどう残すか、どう生かしていくかということを大切にしたんですね。確かに、ただキレイだけな空間は最初は良くても愛着が持てなかったり、まさに「語れない」空間になってしまいますもんね。
さて、そして僕たちRELISHの壁画についてお聞かせください!そんなオフィスに壁画を入れようとおもった理由と、僕たちにご依頼頂いたキッカケは何だったんですか?
宮野:
元々オフィスにはアートは入れたかったんです。そんな中で、昨年(2019年)2月にRELISHさんの個展「DAWN」にお邪魔してお話したのが始まりでした。
音楽フェスのGREENROOM FESTIVALなどで壁画を見て、「こういうのいいなあ」と思っていたところ、オフィス計画の際に検索していたら偶然RELISHさんを見つけて。「この人たちだったのか!」と驚いていたら個展をやっていることを知り、行ってみました。
倉嶋:
GREENROOMなどの壁画も見て頂いてたんですね!嬉しいです!
宮野:
お話してみると、うちの社員に知り合いがいることが分かったりして、益々興味がわきましたね。笑
RELISHさんにはエントランスにぜひ描いてもらいたいなと思いました。
倉嶋:
オフィスには他のアート作品もあると伺いましたが、エントランスでの制作を検討されたのはなぜですか?
宮野:
RELISHさんは、レタリングアートなので、メッセージ性が高いものをエントランスに描きたかったんです。イラストや「絵」はある意味抽象的なものなので説明が必要だったり、解釈が難しいものもありますよね。
エントランスは会社に訪れた全ての人がまず目にするものなので、分かりやすいものが良いと思い、言葉を用いたアートを描いてほしいと思いました。
倉嶋:
クールな空間の中で壁画が馴染みながらも印象強く存在していますよね。
宮野:
メッセージは経営理念である「360°スゴイ」を意味する「Creating a Fantastic World」を選びました。創業以来、大事にしてるメッセージですね。「AJITO」という弊社の象徴である空間、バーがあるんですが、その世界観はキープしつつ、かつ印象に残るものにしたいと思っていました。
倉嶋:
VOYAGEさんで制作したアートワークは、勢いのあるブラッシュレタリング(筆記体)と飛沫が広がる円を用いて、シンプルながらもインパクトがものを描いています。
実は他社さんにこの事例を見せると「かっこいい…さすがVOYAGEさん。」と人気なんです。笑
宮野:
それは嬉しいです!笑
円の色は最後まで迷いましたね。最後まで悩みすぎて、本当にご迷惑をおかけしました‥笑
頂いた案にはゴールドやブロンズ色もありましたが、この色に選んで本当に良かったと思います。
倉嶋:
社員さんからの評判はいかがでした?
宮野:
お陰様でとても好評です!
嬉しかったのが、移転した直後にSNSでこの壁画をバックに撮った写真を投稿する社員が多かったこと。また、社外の方が打ち合わせ等でいらっしゃった際に、まず目に入る場所なので、会議室に向かう途中で「かっこいいですね‥!」と会話が自然と始まることがあるんです。
まさに目標としていた「語れる空間」を作れたのではないかと思います。
倉嶋:
今回の移転プロジェクトの狙いでもある「語れる空間」。その空間作りにお手伝い出来たかと思うと、とても嬉しいです!
貴重な機会を頂き、また本日はお話をお伺いさせて頂きありがとうございました!
宮野:
こちらこそ!
いつでも遊びにきてくださいね!
倉嶋:
はい!
居心地いいので、こちらで仕事させてください。笑
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Size : Width 1.5m × Height 1m
designed by RELISH
for VOYAGE GROUP in 2019, April
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